【PinとくるWebマンガレビュー】「メガネをとったらイケメン」にはならない!現実に生きる男子へのファッション指南マンガ「服を着るならこんなふうに」

ファッションにはセンスのあるなしが重要だと思われがちだが、センスのない人でもオシャレを諦める必要はない。知識と経験さえ積めば、その差は縮められるのだ。縞野やえがコミックNewtypeにて連載中の「服を着るならこんなふうに」がそれを教えてくれる。

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「服を着るならこんなふうに」より。

「服を着るならこんなふうに」はダサいと思われたくない、でも何から始めたらいいのかわからないという男子に向けたファッション指南マンガ。主人公の若手サラリーマン・佐藤祐介は、ある日旧友たちと会うと、自分だけ「家にいるみたい」な服装であることに気づく。自宅に帰り、肩身の狭い思いをしたと落ち込んでいる祐介に、妹の環は自分が祐介をオシャレに変身させてみせると宣言。以降、ユニクロやABCマートなど現実に存在するショップのアイテムを登場させながら、祐介をダサくないファッションに導いていく。

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「服を着るならこんなふうに」より。

ここで声を大にして言いたいのが、祐介はオシャレのセンスを磨いても「イケメン」にはならないということ。少女マンガで今なおよく描かれる、地味な女の子が髪型を変えてメガネを外したらいきなり美少女になるというパターン。これまでこの展開に、私が抱いている地味な女の子への仲間意識は何度も裏切られてきたが、このマンガはそんな少女マンガの王道とは一味違う。祐介が妹のプロデュースによってたどり着くのは、手を伸ばせば届きそうな「好青年」。ユニクロのジーンズやコンバースのシューズなど手頃なアイテムを身に付けた、身だしなみのきちんと整った男だ。そう、少女マンガのように「メガネを外したらイケメン!」なんてことは現実にはありえない。しかし頑張り次第で「好青年」にはなれるということを、この作品は伝えてくれるのだ。

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3月10日に発売される、「服を着るならこんなふうに」2巻。

服に無頓着だった祐介が自ら伊勢丹に行ったり、流行のアウターを買ったり、ワードローブを次々と増やしていく姿は、スポーツマンガで初心者の主人公がどんどん技術を習得していく様子と似ている。その成長は妹の教えに素直に従い、ただひたすらに実践を積んだからこそ。ファッションもスポーツも知識と経験で着実に進歩する。センスを持たない凡人にスラムダンクはできなくても、練習次第でゴールを決めるぐらいはできるのだ。

少女マンガのように非現実的な夢は与えてくれない。その代わり、努力は確実に結果に結びつくということを教えてくれる「服を着るならこんなふうに」。3月10日には、単行本の2巻が発売される。今後の展開に注目だ。

(文/ニシムラモエ)