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“好き”という気持ちの延長にある経血フェチ「三十路とレディ」

人よりヘヴィな生理に悩む女子高生・レディこと椿井硝華と、三十路のイケメン養護教諭・喜多川理雄先生の保健室での隠れたふれあいを描いた本作。2人は教師と生徒、さらに理雄先生は女子の生理が大好きというだいぶ尖った性癖をお持ちだ。そうなってくると“禁断の恋”なんて言葉が真っ先に思い浮かぶが、2人のお付き合いは思ったよりもかわいらしい。

いや、レディの経血を先生が舐めたり、ベッドのシーツを血で汚させてみたりとセックスはしないものの、いかがわしい行為もそれなりにしている。けれど生理で情緒が不安定なレディを優しくなだめたり、彼女におかゆを作ってあげたり、先生の何気ない優しさが丁寧に描かれており、そんな部分にこそ思わず胸がキュンとしてしまうのだ。いいぞ、もっとイチャイチャしてください。

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「三十路とレディ」より。

しかし大抵の問題は許されるイケメンとはいえ「股から出る血が好きなんだよ」と言い放つ真性生理フェチは、さすがにカバーできなそう。それでもレディや読者が「気持ち悪い」と先生を切り捨てないのはなぜか。それは先生の生理フェチは、なにか得体の知れないものではなく、“好き”というよく知った感情にきちんと繋がっているからだ。生理や経血に無条件に興奮するのではなく、レディの心と体があって、初めて先生の好きな人になる。ドン引きするような行為も、それが愛情表現であると明確に示されているので、安心して眺めていられるのだ。

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「三十路とレディ」より。

現在、一迅社とpixivが共同で運営するWebマンガ誌・comic POOLでは、高校を卒業したレディと先生の同棲生活が描かれている。そちらが収録された単行本第2巻は7月15日に発売されたばかり。2人の幸せな暮らしをいつまでも追いかけていたい。

(文/籠生堅太)