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TVアニメ「灼熱の卓球娘」を原作者・朝野やぐらはこう見た!

特集

2016年12月に惜しくも放送終了したTVアニメ「灼熱の卓球娘」。本作は市立雀が原中学校卓球部にやってきた転校生の旋風こよりを中心に、かわいいヒロインたちが汗を滲ませながら白熱した試合を繰り広げる熱血卓球アニメです。

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Pingaでは放送終了にあたって、となりのヤングジャンプで原作マンガを連載中の朝野やぐらさんに、アニメ版「灼熱の卓球娘」にまつわるあれこれを聞いてみました。

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(1)自己紹介をお願いします。

マンガ家の朝野やぐらです。となりのヤングジャンプというWebマンガサイトで「灼熱の卓球娘」を連載中です。

「灼熱の卓球娘」の原型にあたる読み切り「卓球☆だいありー」が好評だったため、隔月雑誌のジャンプSQ.19で「灼熱の卓球娘」の連載が始まりました。その後、雑誌休刊の影響でとなりのヤングジャンプに移籍させて頂いて、連載を継続中です。

(2)アニメ化が決まった際の率直な感想を教えてください。

卓球が好きで、卓球マンガが描きたくてマンガ家になったようなものでしたので、アニメ化が決まった時は本当に嬉しかったです! 自分の作品が、というよりは卓球作品でアニメ化できたことが本当に嬉しくて。

作品自体はまだ5巻までと少ないですが、どうすれば卓球でアニメになるようなマンガが作れるか、という試行錯誤を10年以上前からしていました。キャラクターや卓球の見せ方や設定などなど……。アニメ化がひとつの目標で、色々な準備をしてようやくここまで辿り着けたので、嬉しいという気持ちよりホッとした気持ちの方が大きいかも知れません。

自分が面白いと思うものを全て詰め込んだ作品でしたので、これで何も結果が出なかったらマンガ家を辞めようというくらいの気持ちで取り組んでいました。ですので、ひとまずアニメ化という結果を出すことができて良かったです。

(3)アニメ制作にはどの程度関わられましたか?

毎回の脚本会議には担当編集さんに立ち会って頂きました。直接会議に参加することはほぼなく、主に担当さんを通してメールでのやり取りをしていました。

脚本やコンテはもちろんのこと、キャラデザはラフ段階から、小物設定や背景設定も主要部分はほぼ確認させて頂きました。主題歌やキャラソンの歌詞確認までさせて頂けたのはありがたかったです。少しずつアニメとして形になっていく過程を間近で実感できて、大変でしたがとても楽しかったです。

脚本段階では、キャラクターと作品の空気感を特に確認させて頂きました。作風に合った表現に修正して頂いたり、原作でカットしたシーンを入れて頂いたり。コンテ段階では、おもに卓球シーンを重点的に確認させて頂きました。卓球という専門的な要素がありましたので、「ここはこの技の方が自然じゃないですか」とか「下回転がかかっていたら球はこの方向に転がるのでは」など、気になる点はできる限り指摘させて頂きました。

元々、アニメサイドが原作を理解してくださっていたこともありますが、こちらもキャラの細かいセリフ回しまでしっかり確認させて頂きましたので、原作マンガとアニメでほぼ変わらない空気感になっているかと思います。

すごく思い入れのある作品ですので、どうしても要望や意見が多くなってしまったのですが、こちらの意見をしっかりと汲んで、アニメに反映していただけました。もちろん通らなかった要望もあるのですが、その都度ご説明いただけたので、納得した上で制作が進行されました。アニメスタッフさんには本当に感謝しています。

アフレコも何回か立ち会わせて頂きました。印象的だったのが、休憩時間に監督に演技の確認をされている声優さんがいらっしゃったことです。もちろん、プロとして当然の仕事をされているだけなのかも知れませんが、こうして沢山の方がこの作品に真剣に取り組んでくださっていることがすごく嬉しかったです。

(4)アニメの中で特に好きな1話と、キャラクターをそれぞれ教えてください。

ストーリー自体は、あがりの感情が爆発して30分盛り上がりっぱなしの3話が一番面白かったのですが、アニメ(映像)としての面白さなど、総合的な点で言いますと10話です。

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最後のくるりのカーブドライブと、こよりのスマッシュが本当にカッコよかったです! 今回のアニメ化で一番観たいシーンでした。全編通して一番迫力ある試合シーンにしていただいて、とても満足しています。こよりの「届けぇええっ!!」という力強い叫びが本当に気持ちが良くて。何度も何度も観返してしまうほど、すごく好きなシーンです。

好きなキャラクターは、やっぱりこよりとあがりです。アニメは動きや声がつくので、この2人のやり取りがとても微笑ましくてかわいかったです。こよりは隠れる背中があって羨ましいし、あがりは頼りにされていていいなぁ……と思って観ていました。

と言いますか、こよりやあがりに限らず、他のキャラもみんな好きです。どのキャラにもいい所やダメな所があって、魅力的な部分がたくさんあるのですが、原作でもまだまだ描き切れていないので、今後の各キャラクターたちの活躍を見守っていただけたら嬉しいです。

(5)主題歌についてコメントをお願いします。

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「灼熱スイッチ」は元気が出る曲ですごく好きです! 歌詞も、ひとつのことに夢中になるキャラクターたちの心情が描かれていて、青春を感じられるいい曲です。

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「僕らのフロンティア」はしっとりとしたいい曲です。3話のエンディングの入り方がすごく好きで、あがりの今までを振り返りながらこの曲が流れるので、彼女の心情を思って視聴すると本当に感動します……!

(6)アニメで描かれた範囲以降の、原作の見どころを教えてください。

自分の中ではアニメ終了後からの話が本番といいますか、大会編からこよりやあがり以外のキャラにスポットが当たったり、あがりの因縁の対決があったりとすごく盛り上がっていきます。練習試合のこよりVSくるり以上に熱い戦いが続いていくので、ぜひ原作マンガを読んで頂きたいです! 特にハナビとほくとの試合は、過去のエピソードも含めてすごく気に入っているので、読んで頂けると嬉しいです!

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これからも原作とアニメ共々、「灼熱の卓球娘」をよろしくお願いします!


なお、「灼熱の卓球娘」は本編や特典を収録したBlu-rayやDVDが毎月リリースされているほか、作中のキャラクターがペアで歌唱するCD「灼熱の卓球娘ダブルスソングシリーズ」も発売中。もちろんとなりのヤングジャンプでは、原作も連載中。アニメ版が気に入った方は、これらもぜひチェックしましょう!

(c)朝野やぐら/集英社・灼熱の卓球娘製作委員会