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姫乃たまの「人生には明らかに意味がある」 第2回

特集
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姫乃たま

時々、ふらっと飲みに行くと、客席のメンツが異様に豪華なバーとかありますよね(いま私は東中野のBARバレンタインを思い浮かべております)。みなさん、飲んでないで、新宿ロフトプラスワンでイベントやりましょうよ! 3つくらいイベント組めますよ! みたいな。

今回紹介するのは中川いさみさんの「マンガ家再入門」です。

「マンガ家再入門」は、30年間ギャグ漫画を描き続けてきた中川さんが、漫画家再デビューを目指して、“一流の先生方”から直接伺ったストーリー漫画の描き方を、惜しみなく教えてくれるマンガです。

インタビューの様子にスマートなギャグを交えつつ、重要なポイントは例え話とマンガでわかりやすくまとめられているので、まんまと、「これで私もストーリーマンガが描けそう!」という気にさせられてしまいます。

そして、“一流の先生方”がすごい。もう、ものすごい豪華。

「大友克洋/松本大洋/ちばてつや/弘兼憲史/諸星大二郎/松尾スズキ/山口晃/伊藤潤二/一色まこと/鴻上尚史/東村アキコ」

たとえば、書店でこんな名前が連なった表紙の雑誌を見かけたら二度見しますよね。なんなら、本当に載っているのか中身も確認します。表紙の戸川純が可愛くて「Fool's Mate」を買ったら、中には載っていなかったということがあって……あ、その話はいいですか?

とにかく、にわかには信じがたい豪華さ、ということです。

まあ、その、残念かつ当然なことに、私を含めすべての人が、この漫画を読んだからといってすぐにストーリー漫画を描けるようにはならないのですが、ストーリー漫画の描き方に関するアドバイスは、ほぼそのまま人生や思考を豊かにするヒントへと繋がっています。

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「中川いさみのマンガ家再入門」より。(c)中川いさみ/講談社

まず、第1話ではテクニカルな面よりも先に、大友克洋さんの「(ストーリー漫画は)恥ずがしがってちゃ描けないよ!!」という重要な発言に触れます。ここで何も描けない私も、「そうだ、まずは気持ちが大事!」と思います。第四話では、松本大洋さんの、「感動は間引いて伝える」「実際の体験をつまらなくして描く」という、意外な手法を紹介。これで、「なるほど、この手法を守れば私ももしかしたら……?」と、淡い期待が加速していくのです。

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「中川いさみのマンガ家再入門」より。(c)中川いさみ/講談社

それはさておき、第17話での鴻上尚史さんの「創作がガラッと変わった95年という年」は、表現に携わるすべての人間だけでなく、作品を受け取る側の視点にとっても重要な回です。必見。

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「中川いさみのマンガ家再入門」より。(c)中川いさみ/講談社

先日、ギャグ漫画家の上野顕太郎さんにインタビューをしたら、高校生まではストーリー漫画ばかり読み書きしていたとおっしゃっていて驚きました。人生、挑戦って欠かせないんだなあ。私、何かきちんと学んで再出発したいことがあるかしら……。

INFORMATION

「中川いさみのマンガ家再入門」は8月23日に単行本の発売が決定!本編には入らなかったこぼれ話などの描き下ろしも収録予定。詳細は今後モーニング公式サイトなどで発表予定。

プロフィール

姫乃たま(ヒメノタマ)
姫乃たま

1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を軸足に置きながら、文筆業も営む。そのほか司会、DJとしても活動。フルアルバムに「僕とジョルジュ」、著書に「潜行~地下アイドルの人に言えない生活」(サイゾー社)がある。