姫乃たまの「人生には明らかに意味がある」 第6回

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姫乃たま

知人が、「最近の若い奴は、自分のこと“コミュ障”って言い過ぎ」と眉間にシワを寄せていたので、おじさんみたいなこと言うなあと笑いながら、心臓が少しだけ冷やっとしました。

この世に「私は人付き合いが得意です」と胸を張って言える人がどれだけいるでしょうか。とは言え、「私は人付き合いが苦手ですがよろしくお願いします」という自己紹介も変な感じです。

“コミュニケーション障害”というと病気みたいだけれど、“コミュ障”ならなんとなく言いやすい。そうやって自己紹介することで自分のハードルを下げて、安心して人付き合いできたら幸せですが、本当に人付き合いが億劫になったり、自信がなくなったり、諦めたり。コミュ障の対処法に困っていませんか?

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「コミュ障は治らなくても大丈夫」より。(c) Hisanori Yoshida/Midori Mizutani

“よっぴー”の愛称で親しまれるニッポン放送の人気アナウンサー、吉田尚記さんも、新人の頃はコミュ障のおかげで失敗の連続だったそうです。人と上手に話せないので、当然インタビューは上手くいかず、司会の仕事ではゲストを怒らせて、努力すれば「つまんねーやつだな」とディレクターにあきれられ……。「コミュ障は治らなくても大丈夫」では、実はいまもコミュ障は治っていないという吉田アナウンサーが、それでも会話上手になる術と過程を赤裸々に教えてくれます。

 アナウンサーは華やかで珍しいお仕事ですが、人と上手に話せない悩みは私達と同じです。慎重になり過ぎて会話が続かないのもそうですが、張り切りすぎて大きな声を出したり、自分のことを喋りすぎたりして、相手を引かせてしまうのも、コミュ障の悲しき性です……。

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「コミュ障は治らなくても大丈夫」より。(c) Hisanori Yoshida/Midori Mizutani

ところで、私はインタビュー中にコミュ障になります。上手に話を聞き出さないといけない緊張や、ほかのインタビュアーさんの時よりも楽しく話してほしい気持ちが、邪魔をするのかもしれません。ますます上手に話せなくなって、相手の話を引き出すために、自分のちょっと面白い(と勝手に自分で思っている)話をしてしまいます。ああ、上手な人ならすんなり引き出せるのに、お喋りで聞き下手な人だと思われたかもなあ……と、毎回落ち込みます。あっ、また自分のことばっかり書いてしまいました……。

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「コミュ障は治らなくても大丈夫」より。(c) Hisanori Yoshida/Midori Mizutani

「コミュ障は治らなくても大丈夫」には共感しすぎて、枕に顔を埋めてじたばたしたくなるような吉田アナウンサーの体験談と、それに基づいた会話を楽しくする具体的なアドバイスも提案されています。水谷緑さんのイラストは優しく、気の置けない仲間と過ごすリラックスしたシーンは心が和やかになります。上手に人と話せない人にとって、勇気が出るお守りのような教科書になるでしょう。

プロフィール

姫乃たま(ヒメノタマ)
姫乃たま

1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を軸足に置きながら、文筆業も営む。そのほか司会、DJとしても活動。フルアルバムに「僕とジョルジュ」、著書に「潜行~地下アイドルの人に言えない生活」(サイゾー社)がある。